スピルバーグ製作×J・Jエイブラムス監督『SUPER8/スーパーエイト』

脚本家、映画監督、そして作曲家J・Jエイブラムス

J・JはJeffreyJacobです。彼自身が「ジェフリー、ジェイコブ」と呼ばれるよりも「J・J」と呼ばれることを好むので、J・Jエイブラムスとポスターなどで表記されています。ユダヤ系の血を引いてニューヨークで1966年に誕生しました。父親はテレビプロデューサーという環境で、ロサンゼルスで育っていますがまだ彼が8歳という幼い時に、祖父に連れられてユニバーサル・スタジオを訪れたことで映画製作に興味を抱くようになりました。そして「SUPER8」の中のチャールズのようにおそらくコダックのSuper8を手にして、いろいろ自主映画作品を取っていた少年時代を送っていたのかもしれません。

眼鏡姿がトレードマーク

生まれはニューヨークですが、ロサンゼルスで育った少年時代にJ・Jエイブラムスがはまったのは自身がインタビューで答えていたように、外遊びではありません。少年がベイスボールに夢中になっている中、エイブラムス少年がはまっていたのがマジックの練習です。手を使ったマジックやトランプ手品も好きでしたが、J・Jエイブラムスが手品の中で特に大好きだったのは「ふわふわゾンビー球」というトリックです。ゾンビー球というのが、映画「SUPER8」の劇中でチャールズ少年が製作するゾンビー映画と同じですが、「ふわふわゾンビー球」の手品は『ふわふわの白い球を、どこからともかく呼び出します。そして宙に浮かせる』という手品でこの手品を披露すると、観ている人たちはもちろんびっくり!そして大喜びしました。その様子を見るのがJ・Jエイブラムス少年は何よりも大好きだったのでしょう。


キャリア

J・Jエイブラムスが初めて映画界でした最初の仕事は、脚本や製作でもなく作曲でした。16歳の時に『魔獣星人ナイトビースト』の音楽を手がけています。そして進学したのはオノ・ヨーコも学んだ、リベラルアーツで名高く舞台芸術などの分野で特に知られている「サラ・ローレンス大学」です。大学4年生の時にチームを組んで長編映画の脚本をかきあがていますが、この脚本を買い上げたのがタッチストーン・ピクチャーズです。買い上げた脚本に基づいて製作されたのが、1990年『ファイロファックス/トラブル手帳で大逆転』(日本劇場未公開)です。続いてハリソン・フォード主演で1991年公開された『心の旅』 の脚本を書いて、1993年には脚本だけではなく製作総指揮を務めたのはメル・ギブソン主演『フォーエヴァー・ヤング 時を越えた告白』でした。

ハリウッドの実力者達は、1990年代にはJ・Jエイブラムスの存在に気づいていました。それは『心の旅』がきっかけです。脚本を書いたのがわずか21歳の青年が書いたことはハリウッドの実力者たちの中では驚きのことでした。そしてこの映画で映画会社に認められメルギブソン主演映画で製作総指揮へとキャリアを大きく羽ばたきます。『心の旅』を書いたのはわずか21歳だったかもしれませんが、プロデュサーの父を持ち母親はドキュメンタリー作品で、アメリカ放送ジャーナリズムに贈られるピーボディ賞を受賞している環境に育っているので、洞察感が溢れる作品を若い段階で書くことができたのかも知れません。

1998年マイケル・ベイ監督作品の映画『アルマゲドン』では脚本で参加しています。そしてこの年に初めてテレビドラマに進出して『フェリシティの青春』を製作しました。このシリーズでは4シーズンに渡り放送されましたが、製作総指揮と脚本だけではなくテーマ曲の作曲もJ・Jエイブラムスが手がけています。2001年にはスリラー映画『ロードキラー』脚本・製作を務めています。

受賞&ノミネート

  • 2002年(平成14年)ノミネート・・・『エイリアス』で エミー賞の脚本賞
  • 2005年(平成17年)ノミネート・・・『LOST』で エミー賞の脚本賞
  • 2005年(平成17年)受賞・・・『LOST』でプライムタイム・エミー賞 の作品賞と監督賞を受賞
  • 2006年(平成18年)受賞・・・『LOST』でゴールデングローブ賞の作品賞を受賞
  • 2006年(平成17年)ノミネート・・・『LOST』で全米脚本家組合賞のドラマ部門
  • 2007年(平成18年)ノミネート・・・『LOST』でゴールデングローブ賞の作品賞

大ヒット作品「LOST」

2001年にプロデューサーのブライアン・バークと共に、プロダクションの「バッド・ロボット・プロダクションズ」を立ち上げます。そしてABCエンターテイメントは「バッド・ロボット・プロダクションズ」に『エイリアス』『LOST』の製作を発注します。これは『LOST』シリーズ際柵開始前の段階で、番組を象徴するロゴをデザインしたり、パイロット版のアウトラインと脚本を共同で書きそして作曲までも手がけています。まさに、書いて・演出して・プロデュースするマルチぶりを発揮しています。そして『エイリアス』も『LOST』も大ヒットを飛ばしますが、これほどありとあらゆるスキルを兼ね備えていながら、ビジネスの才能もありそして人を上手に動かす業界人は見たことないとまで言われるほどの頭角を現していきます。

そしてJ・Jエイブラムスがアイドル的な存在として仰ぎ見るスピルバーグ監督と同じ道を歩きます。スピルバーグ監督が映画監督としてデビューする前にテレビ番組「刑事コロンボ」で演出を務めていたように、J・Jエイブラムスも映画を手がけるようになります。それはテレビドラマ『エイリアス』の大ファンというトム・クルーズが自身の大ヒットシリーズの「ミッションインポッシブル」シリーズの3作品目『M:i:III』にJ・Jエイブラムスを監督として招いたからです。そしてこれから映画監督としての活動が開始され2009年にSF映画『スター・トレック』で監督を務めたほか、あの名作『スター・ウォーズ』新作の監督にも抜擢されて、大きな話題となっています。

今でもハリウッドで大活躍中ですが、間違いなくこれからハリウッドの映画界を代表する存在になるといわれているJ・Jエイブラムスです。

J・Jエイブラムスが手がけた映画脚本

  • 1990年(平成2年)・・・ファイロファックス/トラブル手帳で大逆転(主演:ジェームズ・ベルーシ
  • 1991年(平成3年)・・・心の旅(主演:ハリソン・フォード)
  • 1992年(平成4年)・・・フォーエヴァー・ヤング/時を越えた告白 (主演:メル・ギブソン)製作総指揮も兼ねる
  • 1994年(平成6年)・・・ゴーン・フィッシン'(主演:ジョー・ペシ、ダニー・グローヴァーのコメディ映画)
  • 1996年(平成8年)・・・ハッピィブルー(主演:デヴィッド・シュワイマー、第49回カンヌ国際映画祭で「ある視点部門」で上映)
  • 1998年(平成10年)・・・アルマゲドン(主演:ブルース・ウィリス 観光客役でチラッと松田聖子が「買い物に行くの~」と登場)
  • 2001年(平成13年)・・・ロードキラー(主演:ポール・ウォーカー)
  • 2006年(平成18年)・・・M:i:III (主演:トム・クルーズ 人気作品第3作目 脚本のほかに監督も手がける)
  • 2011年(平成23年)・・・SUPER8/スーパーエイト (監督と脚本を手がけ、憧れのスピルバーグ監督と製作も手がける)